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16万棟の災害台帳が、無料データだけで作れた。藤沢市のPLATEAUに衛星・地形・地震・地価を1棟ずつ重ねてみた

国交省の3D都市モデル「PLATEAU」から神奈川県藤沢市の建物16万5,411棟を取り出し、国土地理院の地形分類、大規模盛土造成地、J-SHISの地震の揺れの確率、Sentinel-2の衛星写真、公示地価を1棟ずつ書き込んだ「災害台帳」を、AIにプログラムを書かせて作りました。市内でとくに揺れやすい1割の建物のうち、浸水のハザードマップで色が付くのは4棟に1棟だけ。衛星は3Dの街に載る前の造成地を見つけ、津波の想定区域の地価は区域外より上がっていた。作り方、つまずいた所、1棟ずつ言えることと言えないことを、再現手順ごと公開します。

夜の湘南の海岸の上に、衛星写真・建物の点・地形・地震の揺れのマス目・地価のピンの5枚の地図が積み重なって浮かぶ絵と、右で帯の後ろから「え?」という顔でこちらを見るDATA WORLD編集長の小笠原海人。「AIで16万棟を1棟ずつ」「重ねすぎ」の文字

国が160億円超をかけて作った3D都市モデル「PLATEAU」。前編では、そのPLATEAUが、使われ方をまだ証明できていないことを見てきました。

では、どう使えば価値が出るのか。編集部で話していて、DATA WORLD編集長の小笠原が引っかかったのは、PLATEAUを「PLATEAUだけ」で見ていることでした。

PLATEAUの強みは、建物1棟ずつに「場所」と「形」があることです。一方で、世の中の公開データの多くは、建物の単位になっていません。衛星写真は街を「面」で撮り、地震の揺れの確率は250m四方の「マス目」ごと、土地の値段は市内に数十か所の「点」でしか分かりません。どれも単独では「この辺り」までしか言えないデータです。

これを建物1棟ずつに書き込めたら、「この建物は、津波は何m、揺れの確率は何%、足元は昔の川」と言えるようになるはずです。保険や不動産、会社の拠点の点検なら、まさに欲しい情報です。

ただ、これまでは簡単ではありませんでした。データは形式も細かさもばらばらで、国や研究機関のサイトに散らばっています。1.7GBの3Dデータを読み、マス目の値を1,000回以上問い合わせ、衛星の画像を十数枚取り寄せて合成し、16万棟と重ね合わせる。地図の専門ソフトと、それを扱える技術者がそろって、ようやくできる作業です。

ところが今は、AIに任せられます。PLATEAUには、AIからデータを探して取り出せる窓口(MCPサーバー)が試験公開されました。データを取りに行くプログラムも、重ね合わせるプログラムも、AIが書いて回してくれます。

そこで小笠原は、編集部のAIに、こう頼みました。

PLATEAUだけに寄っているので、衛星やほかのオープンデータを組み合わせて、これまで見えなかったものを見せてほしい。エンジニアや研究者が「おっ」と思うくらい、がっつりやってみて

AIが返してきたのは、「PLATEAUを、ほかのデータを乗せる受け皿にする」という案でした。面・マス目・点のデータを、PLATEAUの建物1棟ずつに落とし込む。試す街には、データが新しく、海沿いと内陸の両方がある神奈川県藤沢市を選びました。

依頼から約1時間半。AIは5種類の公開データを集めて、藤沢市の建物16万5,411棟の1棟ずつに書き込み、集計と地図までそろえてきました。いわば、街1つ分の「災害台帳」です。

藤沢市の建物16万棟を点で描いた2枚の地図。左はPLATEAUで浸水や土砂災害の想定が付いた建物(ハザードマップで色が付く建物)を水色で示し、海沿いと川沿いに集中している。右は30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を色で示し、北部の内陸ほど濃い
AIが作った台帳から描いた地図。同じ16万棟を、左は浸水と土砂災害の想定(PLATEAU)、右は地震の揺れの確率(J-SHIS)で塗り分けたもの(編集部集計)。(J-SHISの揺れの確率の地図)

台帳ができると、地図を眺めているだけでは数えられない問いに、数字で答えられるようになります。この台帳で答えられたことを、先に書きます。

SHORT ANSWERS

16万棟の台帳で、答えられた4つの問い

1棟ずつに値を書き込むと、別々の地図の食い違いや、データ同士の答え合わせまで数えられる

Q1浸水の地図と揺れの地図、危ない場所は同じ?

ほとんど重なりません。市内で地震の揺れがとくに起きやすい建物を上から1割選ぶと、浸水のハザードマップで色が付くのは4棟に1棟ほど(26.9%)でした。
→ TRIAL 02

Q2別々の機関のデータは、1棟の単位でかみ合う?

かみ合いました。昔の川の跡に建つ建物の96%は浸水の想定区域に入り、台地の上では4%。重ね合わせが正しく動いているかの確かめにもなりました。
→ TRIAL 03

Q33Dの街に、まだ載っていない変化は見つかる?

無料の衛星写真で見つかりました。市の「新産業の森第二地区」の造成地は、PLATEAUではまだ建物が1棟もない場所です。
→ TRIAL 04

Q4災害の想定は、土地の値段に入っている?

藤沢では、まだ見えません。津波で3m浸かる想定の地点でも、地価は5年で2〜3割上がっていました。ただし地点は6つだけで、台帳のいちばん弱いところです。
→ TRIAL 05
01

無料のデータで、16万棟の台帳を作る

TRIAL01PLATEAUの建物を土台に、衛星・地形・揺れ・地価を重ねる

無料のデータ5種を、16万棟の1棟ずつに書き込めた

藤沢市を選んだのは、PLATEAUのデータが新しく、災害の想定が5種類そろっていたからです。海沿いの観光地と、内陸の住宅地・工業地帯が同じ市の中にあるのも、重ねる実験に向いています。

AIの窓口(PLATEAU MCPサーバー)で藤沢市を指定すると、約1km四方ごとに分かれた87個のファイルの場所が返ってきました。合わせて約1.7GB。AIに短いプログラムを書かせ、建物ごとの形、用途、高さ、災害の想定を取り出して1枚の表にしました。

PLATEAU VIEWで藤沢市の海沿いの建物を選択し、用途が官公庁施設、津波の浸水深2.8m、境川の洪水の浸水深0.325mなどの属性が表示された画面

この表に、ほかの4種類のデータを1棟ずつ書き込みました。できあがった台帳の列は、こうなります。

台帳の列元のデータ細かさ時点
形・用途・高さ・洪水や津波の想定PLATEAU 藤沢市 建築物モデル1棟ずつ形は2025年度、津波の想定は2014年度
足元の地形(台地、昔の川の跡など)国土地理院の地形分類面昔の地図や空中写真から分類
大規模な盛土の上かどうか国土数値情報「大規模盛土造成地」面(182か所)2023年版
30年以内に震度6弱以上の確率防災科学技術研究所のJ-SHIS250mのマス目2024年版
土地の変化欧州の地球観測衛星Sentinel-210mのマス目2021年・2024年・2026年の冬
地価の動き国土数値情報「地価公示」52地点2021年〜2026年

重ね方は単純です。建物の外形の中心点が、どの面やマス目の中に入るかを調べ、その値を建物に配る。16万棟と数万の面の組み合わせでも、場所で索引を付けて探せば、総当たりせずに済みます。

02

台帳ができると、答えられる問い

TRIAL02PLATEAUの浸水・土砂災害の想定に、地震の揺れの確率を重ねる

浸水のハザードマップで色が付く場所と、揺れやすい場所は、ほとんど重ならなかった

ここで重ねたのは、性格の違う2枚の地図です。

1枚目は、PLATEAUに入っている浸水と土砂災害の想定です。洪水、大雨で下水があふれる内水、津波、高潮、土砂災害。自治体のハザードマップで色が付くのと同じ情報で、藤沢市では4万8,828棟(29.5%)に、どれかの想定が付いていました。

2枚目は、防災科学技術研究所の地震の揺れの地図です。建物が建つ場所ごとに、「今後30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率」が分かります。藤沢市では、最も低い場所でも33.6%、真ん中の値は59.0%。南関東らしく、市内のどこでも高めです。

では、2枚の地図が指す「危ない場所」は同じなのか。地域で分けると、はっきり違いました。

地域建物の数浸水・土砂の想定がない割合(ハザードマップで色なし)震度6弱以上の確率(真ん中の値)
北部(北緯35.38度以北)5万1,442棟90.2%62.6%
海沿い(北緯35.33度以南)3万1,105棟30.6%54.3%

出典:PLATEAU 藤沢市 建築物モデル(2025年度)とJ-SHIS 確率論的地震動予測地図 2024年版(平均ケース・全地震)を編集部で集計。

北部の建物は、9割がハザードマップで色なし。それなのに、揺れの確率は海沿いより高い。浸水の危なさは海沿いと川沿いに、揺れの危なさは内陸の台地と谷に寄っているのです。冒頭の2枚の地図のとおりで、市内でとくに揺れやすい1割の建物のうち、浸水のハザードマップで色が付くのは26.9%だけでした。

差を生んでいるのは、地表の揺れやすさです。J-SHISの地盤のモデルでは、地面が揺れを大きくする度合い(増幅率)の真ん中の値が、北部の台地で1.60、海沿いの砂丘で1.44。最も高いのは谷の底の低地で1.77で、こうした場所の8,267棟は確率の真ん中の値が69.1%でした。

拠点や取引先を点検するなら、浸水のハザードマップだけでも、揺れの地図だけでも足りません。両方を1棟に並べて、初めて「どの建物から確かめるか」の順番が決まります。

TRIAL03国土地理院の地形分類と、国の大規模盛土造成地を重ねる

昔の川や沼の跡に建つ建物は、ほぼすべてが浸水の想定区域に入っていた

次は、足元の土地の成り立ちです。国土地理院は、昔の地図や空中写真から、土地が台地なのか、昔の川の跡(旧河道)なのか、人が土を盛った土地なのかを分類して公開しています。これをPLATEAUの災害の想定と突き合わせると、データ同士の答え合わせになりました。

足元の地形建物の数PLATEAUで災害の想定がある割合
旧水部(昔の沼や池)151棟100%
旧河道(昔の川の跡)1,373棟96.4%
後背低地・湿地4,026棟64.2%
氾濫平野・海岸平野1万5,270棟58.8%
砂州・砂丘3万8,425棟42.1%
台地・段丘4万8,100棟3.9%

出典:国土地理院「地形分類(自然地形)」とPLATEAU 藤沢市 建築物モデル(2025年度)を編集部で重ね合わせ。建物の中心点がどの地形の上にあるかで分類。

昔の川や沼の跡では、ほぼすべての建物に洪水や津波の想定が付き、台地の上では4%。別々の機関が別々の方法で作ったデータが、1棟の単位できれいに整合したわけです。重ね合わせの処理が正しく動いているかの確かめにもなりました。

一方で、PLATEAUの想定に入っていないものも見えます。国土地理院は、旧河道や埋め立てた土地は「液状化の発生傾向が非常に強い」と説明しています。国土交通省関東地方整備局と地盤工学会の報告書によると、2011年の東日本大震災では、250mのマス目で数えて、埋立地の20.2%、旧河道・旧湖沼の10.4%で液状化が起きています。液状化は、PLATEAUの災害の想定の項目にはありません。

藤沢市の建物を点で描いた地図。大規模盛土造成地の上の建物がピンク、旧河道・旧水部・後背低地の上の建物が紫で示されている。ピンクは北部と東部の丘陵地に、紫は川沿いに帯状に分布している
ピンクは大規模盛土造成地の上、紫は旧河道・旧水部・後背低地の上に建つ建物(編集部集計)。(国土数値情報「大規模盛土造成地」)

盛土も同じです。藤沢市には182か所、約335haの大規模盛土造成地があり、その上に9,842棟が建っていました。PLATEAUで何らかの災害の想定が付いているのは、このうち14%です。国や市は、この地図は「地震時に必ずしも危険な場所を表すものではない」としています。台帳の上では「確かめておきたい土地」の印として、別の列に持っておくのがよさそうです。

TRIAL04Sentinel-2の画像で、2021年・2024年・2026年の冬を比べる

無料の衛星写真が、3Dの街より先に新しい造成地を見つけた

PLATEAUの建物は、航空写真を撮った時点の姿です。その後に変わった場所は、次に作り直すまで載りません。そこで、欧州のコペルニクス計画の衛星「Sentinel-2」の画像で、変化を探しました。10m四方の解像度で、同じ場所をおよそ5日ごとに撮っている衛星で、画像は無料です。

雲の少ない冬の画像を時期ごとに4〜5枚重ねて1枚に合成し、2023〜24年冬と2025〜26年冬で色の変わり方が大きい場所を探しました。見つかったのは、0.4ha(40m×100m)以上のまとまった変化が58か所、合わせて44.7haです。

1か所ずつ目で確かめると、畑やゴルフ場の芝の季節による変化がおよそ3分の1、屋根の張り替えや太陽光パネルの設置などの建物の変化がおよそ3分の1でした。残りに、木を切った造成地などの土地の変化が約10か所(編集部が画像を目で見て分けた、おおよその内訳です)。機械が拾った候補を、人が仕分ける作業は欠かせません。

中でも最も大きかったのが、北部の葛原にある雑木林です。

藤沢市北部の葛原付近を、3つの時期の衛星写真で並べた図。2020〜21年冬と2023〜24年冬には東海道新幹線の南側に雑木林があり、2025〜26年冬には木が切られて造成地になっている
藤沢市北部・葛原付近。東海道新幹線の南側の雑木林が、2025〜26年冬には造成地になっていました。Contains modified Copernicus Sentinel data (2020–2026), processed by DATA WORLD.(Sentinel-2の衛星画像(Microsoft Planetary Computer))

場所を県の都市計画の資料と照らし合わせると、市が企業を呼び込むために開発を進める「新産業の森第二地区」(約8.4ha)でした。2024年3月29日に建物を建てられる区域へ移され、あわせて土地区画整理組合も設立されています。PLATEAUで同じ場所を見ても、建物はまだ1棟もありません。衛星は、3Dの街より先に「次に建物が建つ場所」を見ているわけです。

国も、航空写真と衛星の画像をAIで比べて、3D都市モデルを作り直す優先度の地図を作る実証を2022年度に行い、分類の精度は84%程度でした。ただし、戸建て住宅1棟ずつの変化までは難しいとされています。10mの解像度の今回も同じで、見えるのは工場の敷地や造成地のような大きな変化です。

TRIAL05公示地価の定点を、津波の浸水想定と重ねる

津波で3m浸かる想定の地点でも、地価は5年で2〜3割上がっていた

最後は、お金のデータです。災害の想定は、土地の値段に入っているのでしょうか。

藤沢市には、確かめやすい出来事がありました。2021年3月22日、神奈川県は藤沢市の沿岸部を「津波災害警戒区域」に指定し、この区域の建物の売買では重要事項の説明が必要になりました。そこで、国が毎年評価する公示地価のうち、藤沢市の住宅地52地点を、津波の浸水想定と重ねました。

藤沢市の住宅地の公示地価を2021年を100として並べた折れ線グラフ。津波の浸水想定区域内の6地点は2026年に120〜130、区域外46地点の中央値は115で、区域内の方が大きく上がっている
2021年を100としたときの藤沢市の住宅地の公示地価。津波災害警戒区域の指定の後も、浸水想定区域内の地点の方が大きく上がっていました(編集部集計)。(国土数値情報「地価公示」)

区域内の6地点は2021年から2026年に19.7〜30.0%上がり、真ん中の値(中央値)は26.2%。区域外46地点では15.4%でした。浸水の想定が3m以上の3地点(片瀬、片瀬海岸、鵠沼海岸)でも、上昇率は25.7〜30.0%です。海の近くの人気が、津波の想定を上回っているように見えます。

ただし、ここは台帳の弱いところでもあります。地点は6つだけで、実際の取引価格ではなく鑑定で決まる地価です。駅からの距離などの条件もそろえていません。全国の公示地価約3,500地点を使った日本銀行のワーキングペーパー(2022年)では、想定浸水深が1m深くなるごとに住宅地の地価は1.1%低くなっていました。リスクは値段に入るものの小さい、という結果です。藤沢の6地点は、その「小さい」側の例と見るのが妥当だと考えています。

03

1棟ずつ言えること、言えないこと

台帳を作って一番学んだのは、「1棟の行に並んだ数字」の重みが、列ごとにまったく違うことでした。

台帳の列1棟について言えること言えないこと
洪水・津波の想定最大規模の雨や津波のとき、この建物の位置で想定される深さ「必ずこの深さまで浸かる」こと
揺れの確率この建物が建つ250mのマス目の確率この建物そのものの揺れやすさ
地形・盛土建物の中心点の下の土地の分類地盤が実際に弱いかどうか
衛星の変化10mのマス目の大きな変化戸建て1棟の建て替え
地価近くの定点の動きこの建物の値段

もう一つは時刻です。津波の想定は2014年度、用途の調査は2021年度、衛星は2026年。時刻の違うデータを1棟に載せているので、その間に建て替わった建物では組み合わせがずれます。台帳には、値と一緒に「何年の、どの細かさの値か」を列として持たせておくのが安全です。

EDITOR'S TAKE ── 編集長・小笠原はこう読む

PLATEAUは、データをつなぐ「建物ID」だった

16万棟の台帳を作ってみて、PLATEAUの一番の価値は、3Dの見た目よりも、ほかのデータを「建物1棟」の単位につなげることだと感じました。

VIEW01

面・マス目・点のデータを「この建物」に変える。それがPLATEAUの仕事

衛星は街を面で見ます。J-SHISは250mのマス目、地価は数十か所の点です。PLATEAUの建物に落とし込むと、それらが1行に並び、並べ替えや絞り込みができる台帳になります。前編で見たとおり、PLATEAUは使われ方をまだ証明できていません。でも、ほかのデータの受け皿として使えば、AIと組んで1時間半ほどで16万棟を点検できる。国がまだ十分に数えていない価値は、ここにあると考えています。

VIEW02

次の課題は、建物の台帳を「毎年更新される台帳」にできるか

今回、衛星は3Dの街に載る前の造成地を見つけました。前編で数えたとおり、2020〜2022年度に最初に作った79市区町村のうち、73%は一度も新しい版が出ていません。

海外には、毎年更新される建物の台帳があります。オランダの3DBAGは、国の建物台帳とレーザー測量のデータを組み合わせ、約1,000万棟の3Dモデルを全自動で作っています。PLATEAUも、衛星とAIで「どこが変わったか」を毎年見つけ、変わった所だけを作り直す形になれば、更新の費用を下げられる余地は大きいと考えています。

VIEW03

建物ごとのリスクは、もう見える。つなぐ先は、値段と保険

建物ごとのリスクは、データの上ではもう並べられます。一方で、住宅向け火災保険の水災の保険料の目安(参考純率)は、2023年6月の改定で市区町村ごとの5段階になったばかりです。不動産を1件ずつ見分ける「不動産ID」をPLATEAUの建物に付ける実証でも、付けられた割合は66市区町全体で8%にとどまりました。この台帳を、契約や価格につなぐ仕組みを作ったところに、次の仕事があります。

SOURCES ── 出典・参考

  1. PLATEAU データカタログ・藤沢市 建築物モデル(2025年度、CityGML。PLATEAU MCPサーバー経由で2026年9月29日取得、編集部集計)
  2. 国土交通省 Project PLATEAU『3D都市モデルオープンデータ』
  3. PLATEAU VIEW 5.0(2026年9月29日閲覧)
  4. PLATEAU配信サービス『PLATEAU MCP Server』
  5. Microsoft Planetary Computer『Sentinel-2 Level-2A』(2026年9月29日取得)
  6. ESA Sentinel Online『Imminent deployment of Sentinel-2 Processing Baseline 04.00 on 25 January 2022』
  7. 神奈川県都市計画審議会『藤沢都市計画区域区分の変更(健康と文化の森地区・新産業の森第二地区)』(2024年1月31日)
  8. 藤沢市『新産業の森整備事業』
  9. 国土地理院『地形分類(ベクトルタイル)』
  10. 国土地理院『ベクトルタイル「地形分類」の凡例対応表』
  11. 国土数値情報『大規模盛土造成地』(2023年度)
  12. 国土交通省『大規模盛土造成地の滑動崩落対策について』
  13. 藤沢市『大規模盛土造成地マップについて』
  14. 国土交通省関東地方整備局・地盤工学会『東北地方太平洋沖地震による関東地方の地盤液状化現象の実態解明 報告書』(2011年8月)
  15. 防災科学技術研究所 J-SHIS『今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率』
  16. 防災科学技術研究所 J-SHIS『地震ハザード情報提供API』
  17. 国土数値情報『地価公示』(2026年)
  18. 国土数値情報『津波浸水想定』
  19. 神奈川県『津波災害警戒区域の指定について』
  20. 藤沢市『津波災害警戒区域に指定されました』
  21. 国土交通省『宅地建物取引業法施行規則の一部を改正する命令』(2020年7月17日)
  22. 小出桂靖・西崎健司・須藤直『水害リスクが地価に及ぼす影響』日本銀行ワーキングペーパー 22-J-10 (2022年4月)
  23. Aiba & Hasegawa (2025) Journal of the Japanese and International Economies 76
  24. Bernstein, Gustafson & Lewis (2019) Disaster on the horizon: The price effect of sea level rise. Journal of Financial Economics 134(2)
  25. Gourevitch et al. (2023) Unpriced climate risk and the potential consequences of overvaluation in US housing markets. Nature Climate Change
  26. 損害保険料率算出機構『住宅向け火災保険参考純率の水災料率を細分化します』(2023年6月)
  27. 国土交通省 Project PLATEAU『3D都市モデルの更新優先度マップ(uc22-007)』
  28. 国土交通省 Project PLATEAU『人工衛星観測データを用いた浸水被害把握(uc23-01)』
  29. 国土交通省 Project PLATEAU『3D都市モデル・不動産IDマッチングシステム(dt23-03)』
  30. Microsoft『Global ML Building Footprints』
  31. 3DBAG documentation
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